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木枯らし一号


昨晩、やけに強い風だなぁと思ったら、なるほど、木枯らし一号だったとは。凛とした冷たい風を合図に、季節のページがめくられたみたいに、急に寒くなりました。日中は本当に気持ちのよいお天気が多くて、読書にも、お散歩にもピッタリ。この季節は、最高。紅葉なども見に行きたいなぁ。ドイツは、秋は、あ、、、という間に過ぎてしまい、すぐにとっても寒くなっていたよなぁと思い出します。私が住んでいたヴィースバーデンは、ライン河がすぐそばで、ぶどう畑が広がっていました。同僚によくワイン祭りに車で連れて行ってもらったり。たった5年前のことだけれど、なんだか随分昔のことのよう。懐かしいです。。。

 さて、今日から、日本音楽コンクール本選のリハーサルが始まりました。コンクールの伴奏は、横浜シンフォニエッタでも、仙台で参加させていただいたことがありますが、独特の緊張感がありますね。。。コンサートとはまた違う緊張感。重いプレッシャーのなかで、その時に、どれだけ実力を出せるか、今まで積み重ねてきたことを最大限に活かせるか…。本番に、焦点を合わせて、地道に日々の練習を積み重ねるという意味で、演奏家というのは、スポーツ選手に似ているところがあるなぁとよく感じます。特にフィギュアスケートの舞台など見ていると、共感することこの上ない。ジャンプに難易度があるように、課題曲にも難所や山場や見せ場があって、コンクールでは特にまさに手に汗にぎるドラマが展開されます。

 スポーツ選手には、トレーナーという存在がいますが、演奏家にはいない。これは、昔から変だよなぁ、あったらよいよなぁと感じています。心身一如、心技体、素晴らしい演奏家は、誰しも、身体の使い方も自然で美しい。ひとことに自然といっても、実は、ひとそれぞれに自然がちがうのだ、というのが、私が勉強している4スタンス身体理論。シンプルで深くて今もどんどん進化している理論で、もうかれこれ8年くらい研究していますが、未だに発見がたくさんあるのです。

大きく4つのタイプ(A1:つま先閉じ、A2:つま先開き、B1:かかと閉じ、B2:かかと開き)に分かれるのですが、ヴァイオリ二ストでいうとそれぞれ、このような感じ。A1:ハイフェッツ、A2:グリュミオー、B1:ミルシュテイン、B2:オイストラフ。動画などで見てみると、それぞれの立ち姿や演奏スタイル、弓の持ち方から、リズムの感じ方まで、特徴があるのが分かるかと思います。気をつけなくてはいけないのは、自分の憧れる演奏家は、自分にはない要素を持っているタイプだったりすること。色々真似してみても、何だかしっくりこない場合は、自分と違うタイプを真似していることが往々にしてある。あれもこれも色々試してみて、自分らしさって何だろう・・・と悩んでいる人にとっては、4スタンス理論はとてもワクワクするものだと思います。指導する側にとってもそうかもしれない。「あったらよいなぁ」と漠然と感じていたトレーナーのような存在。もっともっと勉強して、きちんと指導ができるようになって、自分がそういう存在になれたらよいな、ライフワークのひとつにしたいなと考えています。先生と研究仲間で、本を出そうという構想もあり、これからが楽しみです!4スタンス理論に、ご興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいなあ。

 話が大分、逸れてしまいましたが、、、今回の6人のコンクールの演奏者の皆さん、当たり前のことだけれど、それぞれに、アプローチも音色も違い、とても興味深いです。普通の演奏会では同じ曲を違う演奏家で何度も聞くということはないですものねぇ。私は、知らず知らず、「この人の音色は、A1っぽいなぁ」とか、「あぁ、このリズムのため方は、実にB1っぽい!」などと思わず分析してしまう…^^;

 ひたむきに、真摯に音楽と向き合い、自分の限界に挑戦しているひとの姿というのは、いつも美しく、ハッとさせられます。音楽って素晴らしいな。

 どうかそれぞれのベストが尽くせますように!!!

今日の言葉*

「人は、毎日、髪は整えるが、なぜ、心は整えないのか。」

チェ・ゲバラ


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